論文掲載

所属機関である同志社大学商学部が関わる学術誌に、論文(査読なし)が掲載されました。

柿沼英樹 (2026). 「日本企業におけるタレントマネジメントの類型化:タレントマネジメント哲学にもとづく定量的検討」『同志社商学』78(1), 41-54.

この論文では、日本企業におけるタレントマネジメントの実態を捉えるために、タレントマネジメントの全体設計や運用にかかわる基本的仮定としての「タレントマネジメント哲学 (talent management philosophies)」に注目しました。具体的には、対象とする従業員の範囲の広狭をあらわす「選別的-包摂的」と、従業員の能力・資質の変容可能性にかかわる認識をあらわす「安定的-開発可能」の2軸によって各社のタレントマネジメントを特徴づけ、どのような実践のタイプがみられるのかを把握しようと試みました。

「タレントマネジメントを実践している」と明示する日本企業の人事部門に就業する145名から回答を得た調査データを分析した結果、日本企業には「選別的-安定的」「選別的-開発可能」「包摂的-安定的」「包摂的-開発可能」の4つのタレントマネジメント哲学すべてが発現していること、なかでも「包摂的-安定的」な哲学が相対的に多く発現していることが明らかとなりました。

これらの結果は、日本企業のタレントマネジメントが単一のモデルには還元できないことを示唆するものであると考えています。つまり、それぞれの企業組織におけるタレントマネジメント哲学の違いを考慮して「タレントマネジメント」を論じる必要があるということです。多様なタレントマネジメントが存在するとすれば、たとえば「哲学Aは良好に機能するけど、哲学Bは機能しない」のようなことがあり得るのかもしれません。この点については、今後の研究において考えてみたいと思っているところです。

ご興味のある方は、ぜひお手に取っていただけますと幸いです。

【2026年7月23日追記】 以下のリンクより、PDFが閲覧いただけます(別タブで開きます)。
同志社大学 学術リポジトリ 当該論文ページ

柿沼 英樹
柿沼 英樹

同志社大学商学部准教授 | 人的資源管理論専攻
タレントマネジメントや雇用主ブランディングに関する研究に取り組んでいます。