論文掲載
所属機関である流通科学大学の研究紀要に、論文(査読なし)が掲載されました。
柿沼英樹 (2023). 「ネットワーク分析を応用した文献レビューの可能性と課題」『流通科学大学論集 流通・経営編』36 (1), 65-79.
この論文では、ここ数年取り組んでいる計量書誌学的手法を用いた文献研究にかかわる、大まかな論点整理を行いました。具体的には、基本的な方法類型としての「記述的レビュー (narrative review)」と「系統的レビュー (systematic review)」の違いから始まり、著者キーワードや引用・被引用関係を捉えたネットワーク分析から明らかにできる事柄や、書誌情報の縮約から研究潮流を読み解こうとすることで生じる課題などについてまとめています。加えて、キーワードや引用・被引用関係のネットワーク分析を応用したと考えられるWebサービス (Connected Papers, Elicit など) の紹介も行っています。
「今後執筆する予定の論文や書籍の補論となりそうな要素をとりあえず論文としてまとめておこう」というような動機から執筆しているため、いろいろと荒削りな部分が否めないのが実際ではあります。しかし、計量書誌学的手法について日本語で読める解説はあまり多くないような印象がありますので、最初の取っ掛かりとしては一定の価値があるのではないかと考えています。
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